転職経験者は必ず確認してください!80万人のお金が月々減っていく…転職後の自動移換難民は資産が減っています【iDeCo・企業型DC】

確定拠出年金で運用がされずに、ただただ損をしている人が非常に多くいることをご存知でしょうか。これは「iDeCo難民」と呼ばれる問題で、年々その数は増加しています。転職経験のある方は特に注意が必要で、知らないうちに資産が減り続けている可能性があります。

この記事では、自動移換難民の実態と確認方法、そして解決策について詳しく解説していきます。該当する方は早急に対応することをおすすめします。

転職後の落とし穴(0:52)

勤務先に確定拠出年金制度があり、その口座を開設していた場合、退職時には必ず手続きが必要になります。しかし、会社からの説明が不十分だったり、中小企業では手厚いサポートが受けられない可能性もあります。

この手続きを怠ってしまうと「自動移換難民」という状態に陥ってしまいます企業型DCの口座がそのまま放置されると、一定期間経過後に自動的に特別な場所に資金が移されてしまうのです。

この状態になると様々なデメリットが発生するため、転職先に企業型DCがあればそちらに移管し、なければiDeCoへの移管手続きを行う必要があります。銀行口座でも10年間放置すると手数料が発生したり口座が閉鎖されるのと同様に、確定拠出年金でも放置は禁物です。

「自動移換」とは(2:05)

自動移換とは、企業型確定拠出年金に加入していた人が退職や転職をした際に、資産をそのまま放置してしまった場合に発生する制度です。一定期間が経過すると、その資産は自動的に国民年金基金連合会に移されます。

この移換手続きを行わないと、資産は全て現金化され、運用は完全に停止してしまいます現在、この自動移換の状態になっている人は約140万人にも上ります。

そのうち企業型DCの口座にお金が全く入っていない人が43.7%存在し、残りの約56%にあたる約80万人の方が実際にお金を持ちながら現金化された状態で放置されているという深刻な状況です。

この問題は年々悪化しており、前年同月比で7.1%も増加しています。企業型DCは導入されれば全員が対象となるため、この140万人という数字は非常に大きなインパクトを持っています。令和4年から令和6年にかけてのデータを見ると、毎年約10万人ずつ増加し続けており、解消される気配が見られません。

自動移換による5つのデメリット(4:56)

自動移換状態になると、以下の重大なデメリットが発生します。

まず第一に、運用が完全に停止してしまいます。本人は運用が継続されていると思い込んでいる場合もありますが、実際は現金化されて運用機会を失っています。この機会損失は長期間にわたって大きな影響を与えます。

第二に、毎月52円の手数料が継続的に徴収されます。これは運用していても発生する手数料ですが、運用停止状態でも保管料として毎月確実に差し引かれていきます。

第三に、自動移換中の期間は老齢給付金の受給要件となる通算加入者期間に含まれません。拠出を行っていないため加入期間として算入されず、結果として受給開始年齢が遅くなる可能性があります。10年間の加入期間などの要件を満たすのに時間がかかってしまうのです。

第四に、確定拠出年金の退職所得控除の減少が発生します。会社の退職金は勤続年数によって控除額が決まりますが、iDeCoや企業型DCの場合は実際の加入者期間で計算されます。自動移換期間は加入者期間に含まれないため、控除額が減少してしまいます。

第五に、給付を受ける際の手続きが煩雑になります。自動移換の状態から給付を受けるには、一度iDeCoに移管してからiDeCoの運営機関を通じて受け取る必要があり、余計な手続きが発生します。

これらのデメリットを見ると、自動移換状態には何一つメリットがないことが分かります特に加入期間に算入されない点は、将来の受給に大きな影響を与える重要な問題です。

自分が自動移換者なのか確かめる方法(8:10)

自分が自動移換状態になっているかどうか分からない、忘れてしまった、気づいていないという方も多くいらっしゃいます。過去に勤務していた会社を退職した経験があり、転職のタイミングがあった方は必ずチェックしてください。

まず最初に行うべきは郵便物の確認です。自動移換通知などの通知が必ず届いているはずです。ただし、住所変更などで届いていない可能性もあるため、まずは自宅に届いた郵便物を確認してみてください。

通知が見つからない場合や引っ越しで届いていない場合は、電話での本人確認が可能です。自動移換専用コールセンターが設置されており、平日9時から17時30分まで対応しています。電話の際は基礎年金番号を手元に用意しておくとスムーズに進みます。

基礎年金番号が分からない場合でも大丈夫です。マイナポータルやねんきんネットで即座に確認できます。マイナポータルは平日8時30分から23時まで利用可能です。その他、年金手帳(現在は廃止)や各種通知書でも確認できます。マイナンバーカードをお持ちの方は、マイナポータルにアクセスすれば簡単に確認できます。

自動移換だとわかったらすること(10:03)

自動移換状態であることが判明した場合、速やかにiDeCoへの移管手続きを行ってください。移管の際は「加入者」または「運用指図者」のいずれかを選択できます。

加入者は新たに掛金を拠出する方法で、運用指図者は移管のみ行い新たな拠出は行わない方法です。ただし、運用指図者の場合は加入者期間が増加しないため、確定拠出年金の年数計算に含まれないという点を理解しておく必要があります。拠出するかどうかは個人の状況に応じて判断してください。

新しい勤務先が企業型DCに加入している場合は、企業型DCへの移管も可能です。また、一定の条件を満たす場合は脱退一時金として請求することもできますが、多くの方はこの条件に該当しないでしょう。ただし、拠出期間が短い場合や自動移換からあまり年数が経っていない場合は該当する可能性があるため、確認してみる価値があります。

まとめ(11:12)

転職時には現在加入している制度について必ず確認しましょう。確定拠出年金に会社で加入している場合、これは現金と同様に自分自身の大切な資産です。手続きを怠ると損失が発生するため、必ず適切な手続きを行ってください。

現在約80万人の方がお金を持った状態で自動移換難民となっています。早めの確認と対応が重要です。転職経験がある方で、過去の手続きに不安がある場合は、まず確認することから始めてください。

せっかくの自分の資産を無駄にしないよう、適切な管理を心がけましょう。iDeCoや企業型確定拠出年金は老後資金対策として非常に有効な制度です。この機会に制度を理解し、効果的な資産形成に活用してください。

転職経験がある方は今すぐ確認を行い、必要に応じて適切な手続きを進めることをおすすめします。大切な資産を守るため、そして将来の安心のために行動を起こしましょう。

またこちらの動画「なんでiDeCoやらないの!?NISAだけの人は要注意!老後資金に『決定的な差』が出る理由」では、iDeCoを始めるメリットについて解説していますのでぜひご覧ください。