新NISAに全力投資は必要ない!けど、本当に足りる?
新NISAが始まった当初、SNSやYouTubeでは「NISA全力で行け」「毎月30万円」といった風潮が見られました。しかし、全力投資は必要ありません。もっと低い金額でも十分に老後資金は準備できます。
老後のためだけにお金を貯めて今を我慢するのは、何の罰ゲームでしょうか。一方で、今使いすぎて老後が惨めになるのも問題です。理想は「平坦」な生活です。今回は老後資金がいくら必要か解説します。
今も老後も安定した生活にするには?(1:19)
理想的な老後準備とは、現在の生活レベルを全く同じまま維持できることです。高収入の方なら大きな金額になるでしょうし、そこそこの収入の方ならそこそこの金額になります。
重要なのは、今の稼ぎで維持している生活レベルをそのまま老後も続けられるよう、バランスよく準備することです。必要な金額さえ分かれば、今からいくら積み立てればよいかが明確になり、お金の心配をせずに今を楽しめるようになります。
絶対に必要なお金とは(3:29)
老後資金が必要な理由は明確です。年金だけでは生活費が不足するからです。年金以外にも必要なお金があります。まずはそれらを整理していきましょう。
①生活防衛資金(3:59)
生活防衛資金は、どんな年齢であっても絶対に必要です。これは自分自身の生活費の3ヶ月分から6ヶ月分に相当します。予定にない支出が発生した場合に、とりあえず支払うお金として用意しておくものです。
病気や怪我で休まざるを得ない場合や入院が必要になった場合や、若い方なら冠婚葬祭での支払いなどがこれに該当します。
具体的な金額として、お一人様の場合は3ヶ月分で約50万円、6ヶ月分で100万円程度が目安です。複数人世帯の場合、生活費は人数の平方根に比例して増加する傾向があります。そのため、2人なら150万円程度、3人なら170万円程度、4人なら200万円程度となります。
この生活防衛資金が減った場合は、ボーナス等で補填していくことが重要です。
②介護費(6:46)
介護費は程度によって大きく変動します。軽度の介護から寝たきりの状態まで幅広く、必要な金額も大きく異なります。しかし、平均的には一人当たり500万円程度を見積もっておくとよいでしょう。
③医療費(7:54)
老後になると様々な体の不調が現れ、医療費が増加していきます。現在は高齢者に対する1割負担などの優遇制度がありますが、将来的には2割負担、3割負担へと自己負担割合が増える方向性にあります。
将来の医療費増加に備えて、一人当たり500万円程度を見積もっておけば、ある程度の医療費上昇にも対応できるでしょう。
医療費と介護費を合わせて一人1000万円。これは自分が亡くなるまで持っておく必要があります。夫婦の場合、お互いに助け合うことを考慮すると、夫婦2人で最低1000万円は確保しておきたいところです。
④生活費(10:33)
生活費の計算が最も難しい部分です。なぜなら、年金が含まれているからです。年金がいくらもらえるのかがわからないため、具体的な不足額の算出が困難になります。
厚生労働省は所得代替率という指標を用いて、現役男性の所得に対する年金の割合を示していますが、これは総給与額ベースであり、実際の手取り収入ではありません。
お一人様で計算し直した場合、現役男性の手取り収入と比べて年金は38.5%、月額にして10.7万円が平均値となります。
一方、お一人様の平均的な生活費は月額18.8万円とされています。つまり、年金だけでは月額約8万円が不足する計算になります。
この8万円の不足を65歳から100歳まで35年間で考えると、相当な金額になります。ただし、投資を活用することで、この不足分を効率的に補うことが可能です。
投資ができなくなるリスク(認知症リスクなど)を考慮し、75歳以降は投資せずに取り崩していくシミュレーションで計算すると、お一人様でフルキャリアの方の場合、65歳時点で約3500万円あれば十分と考えられます。
夫婦の場合はお一人様の約7割程度になるため、共働きのご夫婦(DINKS)の場合は約2500万円程度が目安となります。この金額には医療費・介護費の1000万円が含まれています。
老後の住まいについて(21:37)
賃貸での生活を推奨していますが、老後を過ごすための住まいについては購入も選択肢の一つです。
例えば、お一人様の平均的な生活費18.8万円のうち、約3分の1にあたる6万2500円程度が住居費(賃貸料)です。これを35年間分計算すると約2600万円になります。
つまり、65歳時点で2600万円相当の住まいを購入すれば、その後の住居費支出がなくなることになります。夫婦2人の場合は約4000万円相当になります。
ただし、修繕費や火災保険などの維持費用は別途必要なため、全額を住宅購入に充てるのではなく、余裕を持った計画が重要です。
最近では高齢者向けのサービス付きマンションなども増えており、その時代に応じたサービスを自由に選択できる柔軟性を確保しておくことが大切です。
まとめ(24:49)
老後資金の計算において最も重要なのは、現在の家計を正確に把握することです。今の生活費がわからなければ、老後の生活費もわからず、いくら不足するかも計算できません。
まずは1ヶ月分でもよいので家計簿をつけ、実際の支出を把握してください。レシートを集計するか、給与口座の月初と月末の残高差を確認することで、実際の生活費を算出できます。
年金の受給額については、年金定期便ではなく年金ネットで確認することが重要です。年金ネットでは将来65歳時点での受給額を確認できます。ただし、表示される金額は総支給額なので、実際の手取りは約7割程度になることを考慮してください。
これらの情報から不足額を算出し、必要な投資額を決定することで、老後への不安を解消し、今を楽しみながら将来に備えることができるでしょう。一歩ずつでも行動を起こせば、必ず状況は好転していきます。
またこちらの動画「最速5年?!新NISA1800万円を使い切るより大切なこと【2024年アップデート版】」では、新NISAで枠を急いで埋める必要がない理由について解説していますのでぜひご覧ください。