NISA非利用理由No.1は「投資資金がない」でもそれは誤解です
「投資したいけどお金がない」という声をよく耳にします。野村アセットマネジメントの調査でも、NISA非利用理由の第1位は「投資に回すお金がない」でした。
しかしこれは大きな誤解です。投資に必要なのは多額の資金ではなく、小さな一歩を踏み出す勇気なのです。月100円からでも始められる現代において、投資を始めない理由は実はお金ではありません。
本記事では投資を始めるための具体的な方法と心構えについて解説します。
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投資における恩恵というものは、実際に体験してみて初めて理解できるものです。これは「やったもん勝ち」という側面があります。うまくいくから続けたいと思うのであって、うまくいったからやりたいという気持ちになるのが自然な流れです。
しかし投資の経験がない人にとっては、その恩恵が分からないために始めることができないという問題があります。今回はNISAを始めない理由について考察し、どのようにすれば投資を始められるのかを解説していきます。
投資を始めない理由(1:02)

野村アセットマネジメントが実施した調査によると、NISAを利用しない理由の第1位は「投資に回すお金がない」でした。これに続いて「制度の仕組みがよくわからない」「損をしたくない」といった理由が挙げられています。
興味深いのは理由として「特にない」と回答した人が最も多かった点です。これは投資をやることで自分自身にメリットがあるかどうか分からない、という心理状態を表しています。
投資をしない理由を挙げるのは簡単です。しかし重要なのは、どうすれば投資を始められるようになるかということです。「お金があったらやりたい」という人は多いのですが、「お金がないけどやりたい」という順序に変えることができれば、投資を始めるきっかけになるはずです。
我々は投資を文化にしたいという思いから、投資を皆さんの生活に取り入れることで人生がより豊かになると考えています。私たちが生きている社会は資本主義に基づいており、資本を提供することで恩恵を受けられる仕組みになっています。
お金とは切り離すことのできない存在であり、毎日の生活において必要不可欠なものです。だからこそ、お金についてフラットに向き合ってほしいと思います。資本主義社会では資本が重要な役割を果たしているということに気づいてほしいです。
投資を始めるきっかけ(8:27)
投資を始めるためには、ハードルを高く設定しすぎないことが重要です。筋トレで有名ななかやまきんに君は、運動習慣をつけたい人に対して「ハーフスクワットを1回だけやってみて」とアドバイスしています。
これは投資にも通じる考え方です。まずは小さな一歩から始めることで、自分自身の中に変化を感じることができます。その小さな変化が次への動機となり、継続する力になるのです。
人間は成功体験でしか前に進めないという側面があります。だからこそ、最初は100円からでも2000円からでも構わないので、投資を始めてみることが大切です。少額であっても、実際に投資をしてみることで、桁を増やした場合の効果を想像できるようになります。
まずは生活防衛資金を貯める(9:53)
投資に回すお金がないという人の多くは、生活防衛資金が不足している場合が多いです。生活防衛資金とは、急な出費に備えて準備しておくお金のことで、一般的には3ヶ月分から6ヶ月分の生活費が目安とされています。
独身の方であれば、まずは50万円から100万円を目標に貯めてみましょう。この金額が貯まると、医療保険に加入する必要がなくなります。若い方が加入している医療保険は、月額2000円から4000円程度が一般的ですが、100万円の生活防衛資金があれば、医療費が20万円から30万円かかったとしても対応できます。
毎月の保険料を投資に回すことを考えると、長期的には保険料として支払う金額を大きく上回る効果が期待できます。若い方は怪我や病気になる確率が低く、実際に医療費がかかるのは70歳以降が多いのが現実です。
100円から始められる積立投資(12:45)
まずは家計を4分割する方法を推奨しています。収入の4分の1を投資に回すことができれば理想的ですが、生活防衛資金が貯まるまでは、その分も含めて貯蓄に回す必要があります。
生活防衛資金を貯めるのに約2年程度かかると想定されますが、その間何もしないよりは、少額でも投資を始めることをお勧めします。100円からでも2000円からでも、投資を始めることで2年間の投資経験を積むことができます。
少額投資の場合、実際の利益は小さいですが桁を2つ3つ増やして考えることで、将来的な効果を実感できます。再現性の高い投資方法を選ぶことで、将来的にも同様の効果が期待できます。
投資資金と生活防衛資金が200万円、300万円と増えていくと、生活するために必要な出費が減っていきます。余裕ができることで選択肢が広がり、他人と比較してストレスを感じることも少なくなります。
SNSで他人のキラキラした生活を見て羨ましく思い、そのストレスから無駄な出費をしてしまうことがあります。しかし自分自身が経済的に余裕を持つことで、他人の人生ではなく自分の人生を楽しめるようになります。
投資は将来に向かうお金(15:35)
資本主義社会を上手に活用するためにはできるだけ長い目線を持つことが重要です。これは視野を広げることではなく、視座を上げることです。遠くまで見えるようになると、今よりも楽しく豊かな人生を送れるようになります。
逆に考えると、変わっていかないということは自分自身が見えていないからいくらお金が貯まっても自分の人生は変わっていきません。
NISAにお金を投資するかどうかというだけの話ですが、自分の人生を取り戻すという意味ではその機会となりえます。そして、その機会を得た時にどう感じるか、どう変化していくかも味わっていただきたいです。
投資でもっとも大切なのは「時間」(18:39)
投資において最も重要なのは、お金ではなく時間です。金額が小さくても時間さえあれば大きな効果を得ることができます。
例えば、20歳から40年間、月1万円の積立投資を続けると、約1400万円になります。月1000円であっても140万円になります。この違いは、わずか桁が1つ違うだけですが、その効果は10倍になります。
この違いを実感できれば、投資金額を増やしてみようという気持ちになるかもしれません。重要なのは、きっかけを掴んで少しでも行動してみることです。行動することで何かを感じ、それが投資を加速させる原動力となります。
まとめ(19:53)
投資を始めない理由として「お金がない」というのは確かに現実的な問題かもしれませんが、それは技術的な問題や根性論で解決できるものではありません。重要なのは、自分自身が行動していないだけで、その恩恵を感じていないということです。
一人一人が持っている力を信じてまずはきっかけを掴んでほしいと思います。そのきっかけさえあれば、自然と投資が加速していくはずです。
NISAは年間1800万円まで非課税で投資できる制度であり、複利の効果を最大限に活用できます。投資のやり方を間違えると利益を得られませんが、長期投資、資産分散、時間分散という王道の手法を身につけることで、着実に資産を増やすことができます。
投資に必要なのは、やり方や考え方そして感情面のコントロールです。少しでも興味を持たれた方は、まずは小額から始めて投資の恩恵を実感してみてください。
またこちらの動画「【金融所得課税】NISAは本当に守られるのか?政府の「投資増税案」に要注意!【きになるマネーセンス926】」では、「NISAが増税対象に?」と不安の声が広がる中、その制度の本質について詳しく解説していますのでぜひご覧ください。