手取り20万円の分岐点!老後に困らない家計管理の秘訣
手取り20万円での生活は一見問題なく成り立つように思えますが適切な家計管理ができていないと将来破綻のリスクが高まります。特に上の生活水準に合わせて支出を増やしてしまうと老後資金を確保できず後々大きな問題を引き起こす可能性があるのです。
本記事ではマネーセンスカレッジが提唱する「QGS(クォーター・グリッド・システム)」を活用し手取り20万円の収入で賢く家計を管理する方法を解説します。
手取り20万円が老後破綻の分岐点 (00:00:00)
手取り20万円の人は家計の運営次第で安定した将来を築くことも老後破綻の危険性を高めることもあります。この収入層の約8割が貯蓄や投資をほとんど行わず日々の生活費に全額を充ててしまう傾向があるといいます。その結果、突発的な支出に対応できず借金をするケースもあるかもしれません。
一方、家計管理をしっかり行い計画的に貯蓄・投資を進めている人は約2割程度。彼らは将来に向けた資産形成を意識しているため老後も安心して暮らせる可能性が高いのです。つまり手取り20万円の人にとっては現在の生活をどのように設計するかが未来を大きく左右する重要なポイントとなります。
QGSと生活レベル一覧表(00:01:06)
「QGS(クォーター・グリッド・システム)」とは家計を4つのカテゴリーに分けて管理する方法です。
- 固定費(家賃・光熱費など)
- 変動費(食費・日用品など)
- 自己投資(スキルアップ・趣味など)
- 貯蓄・投資(老後資金・短期的な貯蓄)
この4つを均等に分配することで日々の生活を楽しみつつ将来の備えもしっかり確保できるという考え方です。
その中で、今の手取りでQGSに基づいて生活した場合にどのレベルの生活になるのかわかる「生活レベル一覧表」があります。
独身世帯で手取り20万円は表でいう「不足」のレベルになります。このレベルにいる方はQGSに従って家計が管理できているか、もしくは少し背伸びしているかで生活が変わる分岐点にいます。
20万円の家計シミュレーションと貯蓄の重要性 (00:02:04)
では手取り20万円で実際に家計をQGSに当てはめると以下のようになります。
- 固定費:5万円
- 変動費:5万円
- 自己投資:5万円
- 貯蓄・投資:5万円
生活費(固定費+変動費+自己投資)が15万円はギリギリのラインです。このように振り分けられれば理想的ですが、たとえば都会では家賃が高くなりがちで固定費の割合が増えてしまうケースが多く見られます。その結果、貯蓄・投資の部分が削られ将来への備えが不足してしまうのです。
また家計管理を怠ると収入に対して生活費が膨らみ貯蓄が後回しになる傾向があります。そのためQGSを意識しながら支出をコントロールすることが重要になります。
将来も生活レベルを維持するために (00:04:15)
「QGS」の目的は「今の生活を大切にしつつ将来の安定も確保すること」です。しかし多くの人は現在の生活を優先し20年後・30年後の未来を考えずにお金を使ってしまいます。
特に40代以降になると老後資金の重要性を認識し始めるものの「まだ大丈夫」「なんとかなるだろう」と考え具体的な対策を先延ばしにする人が多いのが実情です。しかし先送りにすればするほど資産形成のチャンスは減少し老後の生活が厳しくなる可能性が高まります。
手取り20万円の人が、将来のために毎月確保すべき貯蓄・投資額は5万円です。この5万円は、さらに以下のように分けることが推奨されます。
- 2万円:老後資金(NISAやiDeCoを活用して長期運用)
- 3万円:短期貯蓄(旅行や車の買い替え、スマホ代などに備える)
この2万円を積み立てることで65歳や70歳になったときに相当な資産が形成され年金と合わせて現在の生活水準を維持しやすくなります。 投資による運用益を得ながら老後に資産を取り崩していくことで無理のない生活を続けることが可能になります。
これがうまくいかない人の大部分は、上のレベルを目指した生活をしています。独身世帯の平均レベルでの生活費は18.8万円(手取り25万円の75%)なので、手取り20万の不足レベルの人でも平均レベルの生活はできてしまうのです。
その代わり貯蓄・投資に回すお金は1~2万円です。このくらいのお金だと少し大きな出費があればすぐに消えてしまいます。つまり貯蓄が貯まっては消えるを繰り返し、将来に向けた積立ができない状態になります。
特に手取り20万円は不足レベル、つまり不満足の状態なので自分よりちょっと良い生活をしているような人などにあこがれてしまう、そしてそれに手が届いてしまうのです。だから不足レベルの手取り20万円が分岐点になっているのです。
夫婦2人の場合は不足レベルの手取り収入が28.3万円です。妻が専業主婦など一方が働いている状態であれば十分に考えられます。この状態でも平均レベルの生活費は支払える状況です。
膨れた生活費で支払われるものは直近のものになるため、一番しわ寄せが来るのが一番遠くの未来にある老後資金になるのです。この状態で50代まで来てしまうと老後はかなり不安な状態に陥ってしまいます。
誰もが上を目指すが未来を見据えるべき (00:11:48)
手取り20万円の生活が分岐点となる理由を説明してきましたが実はこれは「不足レベル」の人だけの問題ではありません。「より良い生活」を求めてはいませんか。収入が増えても相応以上に生活レベルを上げてしまい結果として貯蓄や投資に回す余裕がなくなるケースが多いのです。
例えば手取り25万円の人はQGSの計算に基づけば19万円程度で生活するのが理想です。しかし実際には23万円ほど使ってしまう人も多いでしょう。このように収入が増えても支出をそれ以上に増やしてしまうと結局は老後のための資産形成が十分にできなくなります。
確かにこうした人々はある程度の貯蓄はしています。しかし問題は「その貯蓄額で本当に将来の生活が維持できるのか」という点です。現在の生活水準をそのまま老後も維持するには計画的な資産形成が必要になります。
まとめ
手取り20万円の人は現在の生活費を見直し適切な家計管理を行うことで老後破綻を回避することができます。特にQGSの考え方を取り入れ収入の25%を貯蓄・投資に回すことが重要です。
今すぐ家計のバランスを見直し貯蓄・投資の習慣を身につけることで「今も楽しく、将来も安心」な生活を実現しましょう。
またこちらの動画「\ 家計破綻しないギリギリのライン?! /住居費の目安は手取り収入の30%じゃない!」では、住居費が手取りの30%を目安にしてはいけない理由を詳しく解説しています。
さらにこちらの動画「20代は50代の8倍!「若さは資産」その本当の力を教えてやる」では、20代で投資を始める優位性がわかりますのでぜひご覧ください。