一括投資と積立投資の最適な選択はどっち?時間分散が最強な理由とは
「一括投資」と「積立投資」はどちらが最適か?投資を始める上で、一度は悩んだことがあるのではないでしょうか。
今回は多くの人が関心を寄せる投資のタイミングについて、時間分散の重要性を踏まえて解説します。投資初心者が気になるリスクの取り方から、経験者も知りたい長期投資のポイントなどを学べる内容です。
あなたに合った最適な投資スタイルを見つけるきっかけになる記事です。
キーポイント
一括投資の理論的最適解と条件(00:02:00)
結論から言えば、投資の理論的な最適解は「一括投資」です。一括投資は投資元本を一度に投じることで市場の成長に即座に乗れるため、複利の効果を最大限に活かせる可能性があります。
ただし、長期的に資産を運用すること(長期投資)と、資産を幅広く分散させること(資産分散)が必須条件です。
長期投資の視点から考えると、市場は長期的には右肩上がりの成長が期待されるため、一括投資を行うとその成長分の恩恵を得られます。さらに複利効果も期待できるため、時間とともにリターンが増大する可能性があります。
次に資産分散が適切に行われることで、投資リスクが分散され特定の銘柄や地域の価格変動リスクに偏らず、全体的な成長に乗ることが可能です。マネーセンスカレッジが全世界に分散投資することを推奨している理由も、この価格変動リスクの低減効果を狙ったものです。
理論的には最適解の一括投資ですが、投資初心者にとっては高値掴みのリスクが心理的に大きく感じられるでしょう。もし市場のピークで購入してしまい直後に暴落すると、資産が大幅に減少するリスクがあります。
特に初心者の方は一時的な損失に耐えられず、途中で売却してしまうなんてこともあるかもしれません。
時間分散とその心理的効果(00:04:00)
投資の時間分散は、一括投資と対照的にリスクを抑え長期的に利益を得るための戦略です。
時間分散の王道戦略は「ドルコスト平均法」です。一定期間ごとに一定額を投資することで購入価格の平均を平準化することができます。この方法は高値掴みのリスクを分散させ、特定の時期に過度なリスクを抱えないようにする効果が期待できます。
例えばリーマンショックのような市場の暴落が起きた際も、時間分散を行っていれば一度に大きな損失を出すリスクを避けられ比較的冷静に運用を続けることができます。
これは投資をする上で、高値掴みの恐怖心を減少させ投資家が長期的に安定した運用を続けられるという心理的なサポートとなります。
ただし、時間分散を行ったとしても元本割れのリスクを完全に避けることはできません。暴落が長期間続く場合、平均購入価格を下げたとしても元本割れが生じることがあるのです。
このことを理解して、精神的な安定を図る手段として時間分散を活用することが望ましいでしょう。
時間分散のメリットと3つの条件(00:16:06)
時間分散を最大限に活かすために、以下の3つの条件を満たしていることが重要です。
- 信用リスクが低いこと
- 長期的な右肩上がりになるもの
- 適切な時間枠で分散すること
1つめの条件は「信用リスクが低いこと」が大切です。たとえば、世界全体に投資を行う全世界投資などは、個別企業や国の倒産リスクが分散されているため信用リスクが比較的低くなります。
2つめは投資先が長期的に成長を続けるものであることが必要です。これは世界経済や株式市場が長期的には成長傾向にあるとされる理由にも当てはまります。
3つめは時間分散の期間が、投資対象や投資の目標に応じた適切な長さで行われることも重要です。
たとえば、10年の長期投資を前提にした場合、あまりにも短期間の分散投資ではリスク分散の意味が薄れてしまいます。逆に長過ぎるとリターンが小さくなる可能性もあります。
積立投資と時間分散の違い(00:30:50)
多くの投資初心者が誤解しがちなのが、積立投資と時間分散を同一視することです。
積立投資は毎月の給料などから一定額を投資する方法で、月に1万円や5万円など自分の収入に合わせて毎月定額を投資します。いわば「毎月一括投資」とも言えます。定期的に投資することでドルコスト平均法を活用しますが、これは時間分散とは異なる概念と言えるでしょう。
一方、時間分散はすでにある、まとまった資金を一度に全額投資するのではなく複数の期間に分けて投資する手法です。時間分散は価格変動リスクを抑えるために使われるので、ある程度のまとまったお金がある場合に有効な手段となります。
このように積立投資は投資タイミングを分散させる時間分散とは異なりますが、いずれも投資家のリスク管理や心理的な負担軽減に役立つ方法です。
まとめ
一括投資と積立投資、最適なのはどちらか。結論として、理論的には「一括投資」が最も有利な投資手法とされています。
しかし、多くの投資家にとっては一括投資のリスクや心理的な負担が大きいため、現実的には時間分散をする方が安心と言えるかもしれません。投資を成功させるためには、自身のリスク許容度や投資目標を明確にして投資手法を選ぶことが大切です。
資産分散、長期投資、時間分散をしっかり理解して資産形成を進めていきましょう。
下記の記事では時間分散のドルコスト平均法について詳しく解説しています。時間分散がなぜ重要なのかを深掘りしていますので、ぜひチェックしてみてください。