毎月一定額の分配金が振り込まれる「毎月分配型投資信託」に魅力を感じて購入する方は多くいます。購入すると年金のように毎月一定金額が振り込まれるため、生活費の足しにもなります。
ただ、安全に安定して投資を行いたい、資産を増やしていきたいと考えているなら「毎月分配型投資信託」はおすすめできません。ファンドのメリットを上回る大きな問題点が3つあるためです。
今回の記事では、毎月分配型投資信託をおすすめしない理由を詳しく解説します。ぜひ記事を参考に、毎月分配型投資信託が本当に必要な商品なのか考えていきましょう。
毎月分配型投資信託とは
毎月分配型投資とは、一定期間ごとに分配金を払い出す投資信託です。
たとえば、ある程度の金融資産を保有していても、毎月の生活費を年金だけでは補えない家庭もあります。補えない場合は、自分の金融資産を切り崩して生活費を抽出しなければなりません。
しかし、毎月分配型投資信託を購入していれば、年金のように毎月もしくは隔月で分配金が振り込まれます。
振り込まれたお金は普段の生活費にあてられるため、年金だけでは豊かな生活を送れない方には、毎月分配型投資信託はお得に感じるでしょう。
ただ、平成28年度に金融庁が発表した金融レポートには、毎月分配型投資信託は複利効果が働きにくく、元本取り崩しの形態も多いため、運用効率を下げる可能性が高いことを指摘されています。
そのため、現在では販売本数も以前と比べると少ないです。数年前より本数は少ないですが、高齢者を中心にいまだに根強い人気があります。
毎月分配型投資信託の3つの問題点
毎月、自動で分配金を支払ってくれる「毎月分配型投資信託」には、問題点が3つあります。
- 解約手数料がかかっている
- 全世界投資ができない
- 元本を払い戻されているパターンが多い
資産形成に大きく影響する問題点なので、この項目で詳しく解説します。
1.解約手数料がかかっている
1つめは、毎月分配型投資信託は通常の投資信託よりも手数料を多く取られている問題があります。
通常の投資信託で月ごとに分配金をもらうには、毎月契約を解約しなければなりません。この解約を毎月自動で行ってくれるのが毎月分配型投資信託のサービスであり、唯一の利点です。
しかし、自動で解約を行うサービスは証券会社で無料でできます。SBI証券の「投資信託定期売却サービス」や楽天証券の「定期売却サービス」などを利用すれば簡単に設定可能です。
つまり、毎月分配型投資信託を購入しなくても、月ごとに分配金をもらえる仕組みは作れるということです。
毎月一定金額を振り込めるサービスはすでに無料であるため、手数料が余計にかかる毎月分配型投資信託を買う必要はありません。
2.全世界投資をできる商品がない
2つめのおすすめしない理由は、毎月分配型投資信託は全世界に投資できる商品がないためです。(マネーセンスカレッジ調べ)
そもそも投資信託を購入する理由は、少しでもお金を増やしたいためではないでしょうか。安全に安心して資産を増やしていける投資方法を求めている場合、マネーセンスカレッジも推奨している「全世界投資(アセットアロケーション)」以外の方法はありません。
全世界投資を失敗するということは、世界経済が崩壊しているといっても過言ではないでしょう。国民の年金を運用しているGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)も、安全で安定的な投資を行うために、アセットアロケーション理論を用いています。
しかし、毎月分配型投資信託にはアセットが1つの商品や株式だけなど、リスクの高いファンドばかりです。毎月分配型投資信託で全世界投資を行うには、いくつものファンドを購入する必要があり、管理が大変で、トータル購入金額も大きくなるでしょう。
このように、長期投資を行うには適さない運用方法しか採用できない問題点があります。
全世界投資の方法論や始め方は下記の記事で解説しているので、投資の方法論に迷われている方はぜひチェックしてください。
3.利益が出ているファンドが少ない
3つめは多くのファンドで利益が出ていないにもかかわらず分配金を払えている問題点です。
実は、ほとんどの毎月分配型投資信託は利益を出せていません。通常の投資信託よりも運用手数料が高いため、多くのファンドで基準価格が下がっている状態が継続しています。
しかし、利益が出ていないのに分配金は振り込まれます。この矛盾が毎月分配型投資信託の落とし穴です。
毎月分配型投資信託で支払われる分配金には、大きく分けて2つの種類があります。
- 普通分配金:利益から支払われる
- 特別分配金:元本から支払われる
普通分配金は、投資信託の運用利益の一部から支払われるお金です。特別分配金は、普通分売金では足りなかった金額を元本から切り崩して支払う方式です。
購入した毎月分配型投資信託が利益を出しており、普通分配金で支払われているなら何も問題はありません。
しかし、多くのファンドで利益は出ていません。利益は出ていませんが、分配金は通常通りに支払われています。
つまり、利益が出ていないファンドを購入した場合、投資家が受け取っているのは、投資したお金(元本)を払い戻しただけの分配金なのです。
たとえば、1000万円預けていたとしても、利益が出ていない場合は1000万円の元本から一部切り崩して分配金が支払われています。わざわざ高い手数料を払って、投資したお金を引き出しているのです。
注意して欲しいのが、元本を切り崩すのが悪いわけではありません。高い手数料を支払って切り崩しているのが損している部分です。
手数料を払わずとも、分配金を毎月振り込んでくれるサービスは無料で設定できます。
このように、元本から分配金を支払うことで、あたかも利益が出ているように勘違いさせているため、毎月分配型投資信託はおすすめできません。
毎月分配型投資信託は本当に必要なのか考えよう!
今回解説した3つの問題点をふまえて考えると、毎月分配型投資信託よりも通常の投資信託を購入して、全世界投資を行うほうが安心できるのではないでしょうか。
「毎月分配型投資信託は元本取り崩しが問題点だ!」といわれていますが、問題の本質は運用方法です。
全世界投資ができず、さらに運用利益が出ているファンドもほとんどありません。
その結果、リスクの高いファンドが多く、安全に運用するための投資対象としておすすめできないのです。
毎月分配型投資信託の購入を検討している方は、ぜひ記事を参考に本当に必要な商品なのかあらためて考えてくださいね。
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