日経平均6万円突破!オルカンの外側にあるチャンス。
4月23日、東京証券取引所で日経平均株価が一時6万13円をつけ、6万円の大台を突破しました。これほどの出来事でありながら、国内メディアやYouTube上では「超えたよ」という程度の反応に留まっており、大きく騒がれているとは言えない状況です。
なぜそうなのか、その背景を探りつつ、全世界投資という視点からこの動きをどう捉えるべきかをお話しします。
日経平均6万円突破!のニュースについて(00:46)
今回の上昇がメディアで盛り上がりに欠ける理由はいくつか考えられます。まず、上昇の中身がAIや半導体関連に極端に偏っており、ソフトバンクを筆頭に上位銘柄と他の銘柄との間には桁が違うほどの格差があります。株価の動きが経済の実態を正確に反映しているとは言いがたい状況です。
加えて、いわゆる「戦争疲れ」とも呼べる現象があります。物価の上昇や資源・材料不足が続く中、ガソリンスタンドでの灯油の制限や営業時間の短縮といった形で、日常生活への影響は確実に出ています。生活感覚として景気の悪さを肌で感じている一方、株式市場だけが上昇しているという乖離が、素直に喜びにくい雰囲気を生んでいると言えます。
それでも株価が上がっている背景には、将来への期待感があります。トランプ政権が戦争終結に向けて動いており、中間選挙を前にある程度の決着がつくだろうという楽観的な見方が相場に織り込まれているようです。過去1年間で日経平均はおよそ3万5000円から6万円へと、約67%という大きな上昇を見せており、円安の影響を加味しても相当な上昇幅であることは間違いありません。
世界の投資家はどう見ているのか(04:09)
国内の反応とは対照的に、海外の機関投資家や著名な投資家は日本株式を高く評価しています。ウォーレン・バフェット氏は日本の大手総合商社株を複数回にわたって買い増しし、保有比率を約10%にまで高め、今後50年間は売らないと発言しています。コンスタントに利益を上げる商社のビジネスモデルが彼の投資スタイルにぴったり合っていると言えます。
カナダの年金基金では運用資産約300兆円のうち2.3兆円を日本株式で保有しており、その運用責任者はリスク調整後のリターンにおいて日本株式は他の地域より優れていると評価しています。また、世界最大級の資産運用会社ブラックロックも日本株式をオーバーウェイトに維持する方針を発表しています。米国の労働市場が軟化しない限り利下げが続かないと見ており、相対的に日本株式や新興国株式のパフォーマンスが優れると判断しているためです。
外国人投資家の日本株式保有比率も大きく変化しています。1970年代に5%程度だったものが、バブル崩壊後の1990年代以降に徐々に上昇し、現在では約32.4%、つまり日本株式のおよそ3分の1を外国人が保有しています。今回の6万円突破も、こうした外国人投資家の動きが大きな牽引力となっている可能性が高いです。
外国人投資家の参入増加に対して、「日本企業らしさが失われる」といった懸念の声も一部にあります。ただ、グローバルな資本が入ることで企業がより国際的な戦略を描くようになることは、少子高齢化で国内市場が縮小していく日本において、むしろ必要なことだと言えます。
オルカンの日本比率はどうなのか(12:23)
個人投資家の間では、オルカンやS&P500といったインデックスファンドへの投資が主流になっています。特に円安傾向が続く日本では外国資産を持ちたいというニーズが高く、オルカンの人気は根強いです。
しかしオルカンにおける日本株式の比率は約5.2%に過ぎません。日経平均が1年間で約67%も上昇したにもかかわらず、オルカンに占める日本株式の比率は直近でわずか0.2%しか増加していません。これは時価総額加重平均という計算方法によるもので、日本株式の時価総額が世界全体と比べるとまだ小さいことが影響しています。
この現実をどう見るかは投資家によって異なります。「世界全体に分散されているオルカンで十分」と考えるか、「日本に住んでいる以上、日本株式の上昇をもっと享受したい」と考えるか、どちらが正しいというわけではありません。ただ、米国株が圧倒的に強かった時代から風向きが変わり、日本株式や新興国株式が相対的に強い動きを見せている今、その変化に目を向けることは大切です。
投資家のスタンスは?(14:52)
日本株式や新興国株式が上昇しているにもかかわらず、「オルカンだから大丈夫」と思考を止めてしまっている投資家も少なくないようです。有名な人物の発言やメディアのトレンドに乗っかるだけで、自分自身で本質を考えないままでいると、変化が起きた時に対応が後手に回る危険があります。
投資は常に将来に向けて行うものです。株価が上昇しても給料がそのまま上がるわけではなく、生活実感との乖離があるからこそ、投資に参加する意義があります。日本に住んでいる以上、日本の経済や株式市場の動きは日常生活に直結しています。オルカンは米ドル建ての時価総額に基づく比率で構成されているため、日本に暮らす私たちの生活実態とは必ずしも一致しないことも念頭に置く必要があります。
まとめ(18:18)
日本株式をすべてに優先して買うべきと言いたいわけでも、オルカンや米国株を否定したいわけでもありません。大切なのは、それぞれのファンドをどのような比率で保有するかというアセットアロケーションの考え方です。
インフレと金利が存在する時代において、現金や預金のまま30年保有すれば購買力は2〜3割減少する可能性があります。資産を増やすことに加え、購買力を維持・向上させるという視点で投資を考えることが重要です。また、日本に住みながら資産を日本円で使うことを前提にするならば、日本の経済状況と乖離した資産構成は生活上のリスクにもなり得ます。
日経平均が6万円という大台を超えたこのタイミングは、自分自身のポートフォリオの比率を見直す良いきっかけです。日本株式インデックスや新興国インデックスを追加購入するのか、あるいは各資産クラスのファンドを組み合わせて理想のバランスに組み替えるのか、選択肢はさまざまあります。株価の動きを学びの機会として、自分の投資スタンスを今一度考えてみてください。
またこちらの動画「S&P500・オルカン1本で安心してない?“リターンしか見ない人”が損する理由」では、リターンの前にリスクを見て暴落に耐える資産配分を解説していますのでぜひご覧ください。





