【資産額別】資産があるとなくてもいいモノ100万円、500万円、1,000万円、1億円
資産が増えていくと、お金に対する不安や必要性の感覚が変わってくるものです。
今回は資産額別に「無くてもいいもの」について解説していきます。これは個人的な見解に基づくものですが、多くの方に参考になる内容だと思います。
100万円達成で無くてもいいもの (0:59)
まず100万円を達成すると、予期せぬ支出への不安を考える必要がなくなります。これは生活防衛資金に相当するもので、急な出費に対応できるからです。
例えば、車が壊れて50万円の修理費が必要になったとしても、100万円あれば即座に対応できます。この意味で、車両保険も必要なくなると言えるでしょう。対人保険は絶対に無制限で必要ですが、車両保険については検討の余地があります。
また、感情による散財もなくなります。100万円を初めて貯めたという満足感から、この金額を崩したくないという気持ちが働くため、ストレス発散的な無駄遣いをしなくなるのです。
さらに、ギャンブル的な生き方からも卒業できます。100万円を貯めたということは、将来のことを考えて計画的に行動できている証拠です。若い頃は一攫千金を狙うような生き方にあこがれることもありますが、結婚や将来を考えると、そうした生き方は現実的ではありません。
300万円達成で無くてもいいもの (3:53)
300万円に達すると、医療保険が不要になります。100万円でも医療保険は不要と考えられますが、300万円あれば確実に不要です。
この医療保険には、一般的な入院保険だけでなく、がん保険や就業不能保険も含まれます。サラリーマンであれば労災保険や傷病手当金などの制度があるため、300万円の資産があれば十分に対応できるのです。
保険料を払わない分だけ貯蓄速度が上がり、資産形成のペースがさらに加速していきます。
500万円達成で無くてもいいもの (5:04)
500万円を超えてくると、貯蓄のみでの資産形成という考え方が変わってきます。500万円までは貯蓄で到達できますが、これ以上となると貯蓄だけではもったいないと感じるようになるはずです。
なぜなら、500万円を超えると長期的な視点が必要になってくるからです。500万円で一括購入できるものといえば車くらいですが、それ以上の金額(家など)を貯めようとすると、どうしても長期間の貯蓄が必要になります。
この段階から投資という視点が入ってきて、資産形成を本格的に進めたいという意識が芽生えます。同時に、無駄な支出も減ってきます。ブランド品への憧れや見栄のための消費ではなく、より意味のある使い方を考えるようになるのです。
500万円程度から投資の実感が生まれ始めるため、この金額を取り崩さないという意識も強くなります。
1000万円達成で無くてもいいもの (7:31)
1000万円に達すると、高いリターンを求める気持ちがなくなってきます。安全志向に移行し、20%などの高リターンを狙うよりも、長期で安定的な運用を重視するようになります。
全世界投資で7%の利回りを目指した場合、1000万円では年間約70万円の利益が期待できます。これはボーナス程度の金額であり、実際に資産が増えている実感を得られるようになります。そうなると、無理に高いリターンを求めなくても「このまま安定的に増えていけばいい」という心境になるのです。
メンタル面では、自己否定感や劣等感がなくなってきます。1000万円を達成した自分に対する自信が生まれ、他人から人格否定されるようなことを言われても「自分はしっかりと資産を築いている」という心の余裕が生まれます。
また、生活レベルのアップグレードも不要になります。1000万円を貯めるには安定的な生活を続ける必要があり、それまでにバランスの取れた生活が確立されているからです。30代後半から40代で達成することが多いこの段階では、生活に必要なものは既に揃っており、さらなるレベルアップは必要ないと感じるようになります。
3000万円達成で無くてもいいもの (11:41)
3000万円に達すると、老後の不安がほぼなくなります。独身であれば十分な金額ですし、夫婦であればさらに余裕があります。子どもがいて片方がキャリアを休んで子育てに専念していても、老後の見通しが立つ金額です。
ただし、自営業者の場合は5000万円程度が必要かもしれません。職業によって必要な金額は変わることに注意が必要です。
また、死亡保険も不要になります。夫婦と子ども2人程度の家庭であれば、教育費として1000万円、生活費として2000万円程度を想定した死亡保険をかけることが多いですが、3000万円の資産があればその必要がなくなります。
毎月1万円程度の保険料が削減できれば、その分さらに資産形成が加速します。これが資本主義の仕組みで、資本が増えれば増えるほど生活が楽になっていくのです。
5000万円達成で無くてもいいもの (13:22)
5000万円に達すると、もう積極的な資産形成は必要なくなります。投資は継続していても構いませんが、追加でどんどん資金を投入していく必要はありません。
7%の運用であれば年間350万円程度が増えていくため、「これで十分」という気持ちになります。そのまま使っていても資産が減ることはなく、資産形成から資産増大のフェーズに移行します。
この段階では今を楽しむことも大切になってきます。子どもがいればまとまったお金が必要な時期でもあるため、収入から支出したり、場合によっては資産の一部を取り崩しても問題ありません。それでも勝手に修復されて増えていくのが、この資産レベルの特徴です。
1億円達成で無くてもいいもの (14:39)
1億円に達すると、ついに仕事が必要なくなります。いわゆるFIRE(Financial Independence, Retire Early)が視野に入ってきます。
一般的にFIREは5000万円で可能とされることもありますが、それはギリギリの金額です。7%運用で5000万円なら年間350万円、月約30万円弱の収入になりますが、これが継続的に7%で運用できるとは限りません。運用成果が半分になれば破綻してしまう可能性があります。
安全マージンを考えると、欲しい金額の倍の資金が必要です。1億円あれば、何があってもほぼ大丈夫な水準に達します。
この段階まで来れば、自分で使い切る必要もありません。次世代に引き継ぐことで、子どもたちは「強くてニューゲーム」のような状態でスタートできます。ただし、お金だけでなく、適切な価値観や人格形成も重要であることは言うまでもありません。
まとめ (16:43)
千里の道も一歩から。まずは100万円の達成を目指しましょう。100万円は2〜3年あれば達成可能な金額です。若い世代には長く感じるかもしれませんが、何もしなければあっという間に過ぎてしまいます。
100万円を達成すれば、そこから先は速度が早くなります。指数的に増えていくため、見ている世界観が変わってきます。3000万円、5000万円といった金額は決して夢物語ではなく、普通に達成可能な水準です。
最も重要なのは、できるだけ早く行動を開始することです。時間が何よりも大切で、入金力も重要ですが、それほど多くなくても構いません。20代であれば毎月2〜3万円程度の貯蓄で十分です。
資産額はストック(蓄積)であり、それを作るにはフロー(収入と支出の差)が重要です。家計の見直しから始めて、適切なタイミングで投資も検討していきましょう。
資産形成は一朝一夕にはできませんが、継続することで確実に人生の選択肢を増やすことができます。まずは第一歩を踏み出してみてください。