SBI証券、預かり資産50兆円突破!楽天証券と比較:証券会社選びのポイント

SBI証券が預かり資産50兆円突破というニュースが話題となっています。一方で楽天証券も1200万口座突破という大きな節目を迎えました。新NISA口座は1人1口座しか開設できないため、どちらの証券会社を選ぶべきか悩む方も多いでしょう。

今回は、ネット証券の2大巨頭であるSBI証券と楽天証券の特徴を比較し、証券会社選びのポイントについて詳しく解説していきます。

SBI証券の現状(1:12)

2025年6月末現在、SBI証券の預かり資産が50兆円を突破しました40兆円突破が2024年5月なので、わずか1年1カ月で10兆円の増加という驚異的なスピードです。2016年の10兆円突破から見ても、成長速度が加速していることが分かります。

口座数においても、SBI証券は1400万口座を突破しています。この数字にはSBIネオモバイル証券の口座数も含まれています。SBIネオモバイル証券は玄人向けのトレードに特化しており、信用取引の金利が低く、手数料も条件によっては無料となるサービスを提供しています。ただし、先物取引などは扱っておらず、サービス内容を絞り込んだ証券会社です。また、FOLIOというラップ口座の口座数も含まれています。

楽天証券の現状(2:51)

楽天証券は2025年3月末現在で1200万口座を突破し、預かり資産高も2025年6月末現在で39兆円に達しています

預かり資産残高の上昇には株高の影響が大きく作用しています。資産残高が大きくなると、その中に含まれるリスク商品の価格上昇により、さらに資産が増える好循環が生まれます。実際に楽天証券では、5月から6月の1カ月間で2兆円も資産が増加しており、この成長スピードの速さが見て取れます。

年間での増加ペースを見ると、SBI証券、楽天証券ともに6兆円強から7兆円弱程度の速度で成長しており、両社とも順調な拡大を続けています。

SBI証券と楽天証券の違い(4:37)

NISA制度は2024年から新NISAに変わりましたが、以前と同様に1人1口座という制限があります。多くの投資初心者がNISA口座を有効活用するために証券口座を開設するため、どちらを選ぶかは重要な決断となります。

営業利益で比較すると、SBI証券が年間約650億円であるのに対し、楽天証券はその半分程度となっています。ただし、楽天証券は2025年1月-3月期において大幅な改善を見せており、今後の業績向上が期待されます。

両社の違いを分析すると、楽天証券は比較的投資初心者が多く、積立投資などの長期投資による資産形成を始めたい方をターゲットにしているように見えます。楽天カードとの連携、楽天キャッシュとの連携、楽天経済圏でのポイント活用など、一般消費者の利便性を高めながらポイント投資を可能にするサービスが特徴的です。

一方、SBI証券は富裕層や幅広い年齢層、特に中高年の利用者が多い傾向があります。1人当たりの預かり資産も楽天証券と比較してわずかに高めとなっています。SBIネオモバイルなどで株式投資を楽しむ層との住み分けもできているようです。

提携クレジットカード会社からのサービス発表を見ても、両社の戦略の違いが明確になります。三井住友カードからは、富裕層をターゲットにしたVISAインフィニット(いわゆるブラックカード)の発表がありました。これは年間決済額500万円から1000万円程度を想定した、非常に限られた層向けのサービスです。

こうしたサービス展開から、SBI証券は富裕層向けのサービスをより充実させていく方向性が見えます一方、楽天証券は楽天ポイントの改悪などがありながらも、決済額の高い顧客よりも一般的な利用者に使いやすいカードを想定している印象があります。

興味深いのは、両社がほぼ同規模でありながら、SBI証券の方が収益性で上回っている点です。楽天証券は販管費を大幅に削減するコスト削減戦略を取っているのに対し、SBI証券は人材や設備に投資して富裕層向けのコンサルティングサービスを充実させる方向で顧客単価を上げようとしており、全く異なるアプローチを取っています。

銀行/証券会社どちらで始めたらいい?(10:53)

これから投資を始める方にとって、NISA口座をどこで開設するかは悩ましい問題です。まず、銀行と証券会社のどちらを選ぶべきかという点については、圧倒的に証券会社をおすすめします

理由は投資対象の豊富さです。銀行よりも証券会社の方が圧倒的に多くの商品に投資できます。最初はアセットアロケーション運用で満足していても、投資の理解が深まると個別株式投資や株主優待なども試してみたくなるものです。しかし、銀行のNISA口座では個別株式を購入することができません。

NISA口座は年に1回の乗り換えは可能ですが、口座が増えると管理が大変になります。最初から選択肢の多い証券会社を選んでおく方が賢明でしょう。

現在から口座開設される方はインターネットをある程度使えると思われるため、ネット証券で十分だと考えられます。口座数の推移を見ても、SBI証券と楽天証券は店舗型証券会社を圧倒的に引き離すスピードで成長しており、この2社から選ぶのが順当と言えるでしょう。

SBI証券/楽天証券どちらで始めたらいい?(12:29)

SBI証券と楽天証券の2択で悩んでいる場合、SBI証券をおすすめしていますこれは好みの問題もありますが、NISA制度の特性を考慮すると、事業継続性という観点で重要な違いがあります。

まず誤解のないよう説明すると、楽天証券が危険でSBI証券が安全だという話ではありません。両社とも事業継続は可能だと思われます。しかし、より安全性が高いのはどちらかと考えた場合、また事業継続していく際の収益力を比較した場合、SBI証券に軍配が上がります。

収益力が高い会社は、その分だけ顧客に対するサービスを拡充でき、新しいサービスを追加する体力もあります。リーディングカンパニーが強いと言われる理由はここにあります。ネット証券の中では、SBI証券の方が収益力で優位に立っています。

重要なのは、両社とも手数料を無料化する方向で動いていることです。これはアメリカの証券会社の流れを受けたもので、投資家にとっては歓迎すべき変化です。SBI証券は楽天証券の約2倍の営業利益を上げていますが、これは顧客から多くの手数料を取っているからではなく、他の収入源(コンサルティングフィー、提携会社からの手数料など)で手数料無料を実現しているからです。

将来的な展望を考えても、SBI証券の方が有利です。店舗型証券会社の顧客は高齢者が多く、その資産は将来的に現代の人々に継承されます。その際、相続を受けた世代はネット証券を選ぶ可能性が高く、リーディングカンパニーであるSBI証券が受け皿となる可能性があります。

楽天証券については、楽天グループの赤字決算の影響を受け、他社に売却される可能性も考えられます。事業継続性の観点から、より安定したSBI証券を選ぶ方が賢明でしょう。

NISA制度の特性上、この選択は極めて重要です。NISAは簿価計算方式のため、含み益も含めて1800万円の枠内で非課税となります。つまり、持ち続けることが有利な制度設計になっています。

もし証券会社が事業を停止した場合、NISA口座も閉鎖されることになります。NISA口座は他社への移管ができないため、一度売却してから新たに購入し直さなければなりません。投資開始から10年、15年後に資産が2倍、3倍、4倍に成長していた場合、移管時に非課税枠の1800万円を超えてしまう可能性があります。

最初から事業継続性に安心できる証券会社を選んでおくことが重要です。

まとめ(18:00)

投資教育を23年間続けてきた中で、証券会社は本当に多くの変遷を見てきました。ネット証券も買収や閉鎖を繰り返し、店舗型証券会社もネット事業に参入したりと様々な試行錯誤がありました。

現在はSBI証券と楽天証券の2大証券会社体制となっています。マネックス証券や松井証券など、昔からある証券会社も存在しますが、規模やサービス内容を考えると、この2社が一般的な選択肢となります。

23年間一貫しておすすめしてきたのはSBI証券です。個人投資家、特に長期投資家にとって投資しやすい環境を提供し続けており、事業拡大の方向性も期待できます。

証券会社を選ぶ際は、サービス内容、手数料、ポイント制度なども重要ですが、その会社が今後何十年も続くかどうかという観点も重要です。資産形成の最終的な目標は老後資金であり、老後も運用を続けることを考えれば、長期間安定して続けられる証券会社を選ぶべきです。

迷った場合は、実績と安定性のあるSBI証券を選んでおけば間違いないでしょう。口座移動やNISA口座の移管は非常に手間がかかるため、最初から王道を選んでおくことをおすすめします。

またこちらの動画「【2025年最新版】NISAで失敗したくない人必見!住信SBIネット銀行 vs SBI新生銀行 徹底比較」ではSBI証券と連携するおすすめの銀行を紹介していますので、ぜひ合わせてご覧ください。