【チャンスを逃すな】円安160円台でも投資は止めるな。円高を待つほど損する理由
円安が進行して160円台に突入したというニュースを受けて、「円高になるまで投資を待った方がいいのでは」と感じている方も多いかと思います。
このテーマは毎回質問が寄せられる定番の疑問ですが、結論からお伝えすると、迷わず投資は続けましょう。投資はいつ始めていただいても問題ありません。その理由について詳しく解説していきます。
円安160円台へ!ニュースの概要(0:38)
ニュースでも取り上げられているように、円相場が160円台に乗せました。これは1年8ヶ月ぶりの水準です。中東情勢が緊迫していることも影響して、為替市場が注目を集めています。
主な要因はドル高(1:01)
為替レートというのは2国間または地域間の通貨の交換レートなので、どちらか一方の動きが影響する場合もあれば、両方が影響する場合もあります。今回の円安については、どちらかといえば円が弱くなっているというよりもドルが買われている、いわゆるドル高が主な要因と考えられます。
その背景には石油価格の上昇があります。石油を買う人が増えるとドルの需要も高まります。これは「ペトロダラー」と呼ばれる仕組みで、石油の決済はドルで行うという慣行が基本となっているためです。石油価格が上がればドルが必要になり、結果としてドル高につながります。
中東の緊張についていえば、ホルムズ海峡の封鎖リスクやスエズ運河周辺での攻撃といったニュースが相次いでおり、たとえ実態的な影響がそれほど大きくなくてもリスクプレミアムとして価格に織り込まれている部分があります。こうした流れから、石油価格の上昇→ドル高→円安という構図が今回の為替変動の主な要因と見られています。
円安でも投資を続けていいのか(5:18)
では、円安の局面で投資を続けることに問題はないのでしょうか。円安で気になるのは、これから投資に回す資金の価値です。特に日本円建てで海外資産に投資する場合、円安の時期は購入できる数量が減るという点は確かにあります。円高のときと比べると、同じ金額でも買える口数が少なくなるため、相対的に投資の効率は下がります。
ただそれでも、円安を理由に投資を止めたり、円高になるまで待ったりすることにはリスクが伴います。以下にその理由を3つ説明します。
円安でも投資を続ける理由①為替は”絶対に読めない”(6:40)
まず一つ目の理由は、為替レートは絶対に読めないということです。「円安だから円高になるまで待とう」という発想は、将来的に円高に戻ることを前提にしています。しかし、相場の世界には「押し目待ちに押し目なし」という言葉があります。一度上昇したものが下がるのを待っていたら、そのまま上がり続けてしまったというケースは珍しくありません。
現状についていえば、石油高→ドル高→円安という流れは説明できますが、それが数年後にどうなるかは誰にも分かりません。プロの投資家でも為替の先行きを正確に予測することはできないのです。待っている間にさらに円安が進む可能性もありますし、その間にも世界経済は成長を続けています。
実際、中東やロシアの地政学的リスクが続いていても、IMFの経済見通しはプラス成長を維持しています。世界経済が成長するなら株価も長期的には上昇するでしょう。円高を待つことで、その成長の恩恵を受けるチャンスを逃してしまうリスクもあるのです。待つこと自体もリスクだということを忘れてはなりません。
円安でも投資を続ける理由②投資の目的は”為替差益”じゃない(8:40)
二つ目の理由は、投資の本来の目的は為替差益ではないということです。全世界投資という投資戦略の本質は、世界中に幅広く投資することで世界の経済成長に乗ることにあります。
GPIFが公表しているアセットバランスを参考にすると、資産を4分割して均等に配分するシンプルな方法でも、半分は海外資産に投資されます。世界全体に分散投資することで、どこか一国の株式の上下に左右されることなく、長期的な経済成長の恩恵を受けることができます。
長期的に見れば、世界のGDPと株価はおおむね連動して伸びてきました。しかも株価の成長率はGDPの成長率を上回る傾向があります。短期的には株価が下がることもありますが、10年・20年という長いスパンで見れば、世界経済は成長し続けており、株価もそれに連動して伸びています。長期投資とはそういう視点で取り組むものです。
また、日本は輸入大国であり、海外資産からの収益も含めると経常収支はプラスになっています。しかしその海外資産の収益が日本円に戻ってこないため、円安基調が続きやすい構造になっています。だからこそ、海外資産を持つことが重要になってくるのです。
円安でも投資を続ける理由③円安への”防御”になる(14:13)
三つ目の理由は、海外資産への投資が円安に対する防衛策になるということです。日本に住んでいると、円安が進むと輸入コストが上がり、食品・住宅・エネルギーといった生活費全般が値上がりします。私たちの生活は円建てで成り立っているため、円安は生活を直撃します。
一方で、海外資産を一定数保有していると、円安が進んだ局面では円換算の資産価値が増加します。円安になって困る部分を、海外資産の値上がりで補うことができるわけです。
もちろん、すべての資産を海外に置けばいいというわけではありません。日本に住んでいる以上、税金をはじめ生活のほとんどは円で支払う必要があります。日本国内のサービスを受ける相手も日本人・日本企業がほとんどで、彼らも円が必要です。ですから、日本円資産と海外資産をバランスよく持つことが大切です。
円高になれば円の価値が上がるので、そのタイミングで海外資産を買い増せばよいし、円安になって海外資産の比率が高まれば、それを売って日本資産を買い増せばよいのです。このリバランスを継続することで、円高・円安どちらの局面でも資産を着実に増やしていくことができます。
まとめ(19:35)
長期投資を継続するためには分散投資が欠かせません。分散には資産分散と時間分散がありますが、特に重要なのが資産分散です。世界標準の投資手法であるアセットアロケーション運用を取り入れることで、為替の動向に左右されず、世界の経済成長に乗り続けることができます。
「分散投資をしているつもりでも、実は分散できていない」というケースも少なくありません。自分の投資内容に不安がある方は、ぜひ一度第三者視点からの確認を受けてみることをおすすめします。
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