楽天証券、米国株式の配当金・売却代金で米ドル建てMMFが自動買付可能に

楽天証券が米国株式の配当金や売却代金で米ドル建てMMFを自動買付できる新サービスを発表しました。このサービスは証券業界初の取り組みとなります。

サービス内容は(0:43)

外国通貨建ての株式や債券を個別に購入する場合、外貨を用意する必要があります。配当金や利金も外貨建てで入ってきますが、これまでは預かり金として扱われ、金利がほとんど付かない状態でした。

今回の新サービスでは、米国株式の配当金が出た際に、その受け皿として外貨MMFに自動的に買付してくれます。これまで米国株式に個別投資している方は、配当金が数ドル入ってきた時にドル預かり金として放置されがちでした。手動でMMFに移そうとしても、1ドル未満だと買付できないという制約があり、地味に面倒な作業が必要でした。

興味深いのは、債券の利金に関してはすでに外貨MMFへの自動買付サービスが各社で提供されていた点です。しかし米国株式の配当金に関しては、これまでどの証券会社も対応していませんでした。そのため、今回の楽天証券のサービスが業界初となります。

配当金や売却代金を円転することも可能ですが、その場合は次の米国株式への投資につながりません。また買付時に手数料を取られてしまうため、米ドルは米ドルのまま保有しておきたいというニーズに応えるサービスとなっています。

ただし、外貨MMFから直接株式を購入することはできません。購入時には一度MMFを売却する必要があります。楽天証券では株式購入時にMMFを指定して売却する機能は現時点では提供されていませんが、債券購入時にはこの機能が利用できます。証券会社によってサービス内容が異なるため、外貨建て投資をする方にとっては、シームレスにつながっていない部分が残っています。

サービスで恩恵がある方(3:59)

この業界初のサービスで恩恵を受けるのは、個別の米国株を保有している方、特に米国ETFを持っている方です。高配当ETFと呼ばれるものを保有している方にとっては、これまで地味に面倒だった作業が自動化されます。米ドル建てで資産を保持するのであれば、外貨MMFは良い保管先になります。

売却して次の投資をドル建てで考えている方にとっても、売却代金がドルのまま保持できるため便利です。配当だけでなく売却代金も自動買付の対象となっているため、眠るお金がなくなります。

少額で投資をしている方の場合、配当が1ドル未満になることもあります。1ドル未満では外貨MMFを手動で買うこともできないため、このサービスは特に有効です。

サービスの恩恵がない方(4:51)

基本的に外貨建て資産を持っていない方には関係のないサービスです米国に投資している方でも、投資信託を使っている方は全く関係ありません。

高配当株のETFに積立投資できる投資信託も現在は存在します。ETFではまとまったお金が必要になりますが、投資信託であれば円で購入でき、給与のタイミングで毎月積立を行うことができます。株式も債券もETFも、外貨で持つことになるとさらに面倒になるため、投資信託に変えて多少の手数料を払う方が100円から積立できて使い勝手が良いと考える方も多いでしょう。NISA口座も使えるため、そちらで投資をしている方にとっては今回のサービスは無関係です。

各社が追随してくるかどうかも注目点です。米国株式が人気だった時期にサービスを開始していれば良かったという見方もあります。ただし業界初であることは確実に評価が上がりますし、こうしたニーズがある方にとっては非常に便利なサービスとなります。

メリット5選(6:22)

第一に、米ドルが遊んでいる時間がゼロになります。これまでは気づいたら手動で外貨MMFに移していた作業が不要になります。

第二に、預かり金よりも外貨MMFの方が利息が付きます。2024年から2025年にかけては、大体年4から5%程度の金利が付くため、預かり金のまま放置するよりもはるかに効率的です。

第三に、忙しくても自動的に購入されるため、定期的にチェックする必要がなく、効率よく投資ができます

第四に、配当再投資を実際に行いたい場合、本来は投資信託がお勧めですが、今回の場合は外貨MMFに自動買付されるため、預金で眠るよりははるかに良い選択肢となります

第五に、為替のことを気にする時間が減ります。このドルをどうしようかと判断する必要がなくなり、とりあえず外貨MMFになっているため、頭の中の懸念事項が減ります。米国金利がまだ高い状況では、金利を下げる速度も遅いため、投資が継続しやすくなります。

まとめ(7:48)

全世界投資を基本戦略とする場合、外貨運用は一切行わないため、このサービスを使う場面はありません。しかし、サテライト運用をする方や、外貨を使う場面がある方にとっては有効なサービスです。例えば海外旅行のために米ドルを用意している方や、米ドルで生活されている方もいるでしょう。

老後資産のためや資産形成をしていきたい方に関しては、どうせ円で使うものですから、わざわざ外貨で買う必要はありません。投資信託で購入したとしても、中身は米国株式や米国債券が購入されており、その際には投資会社のレートで為替変換がされるため、個人のレートよりも有利に働きます。円建てで運用しても外貨資産を持つことはできるため、外貨である必要はありません。

万人に必要な機能ではありませんが、業界初であることは素晴らしく、個人投資家にはさまざまな方がいるため、選択肢が広がることは非常に良いことです。自動化できるところは任せていくという視点は今後も進めていってほしいところです。

欲を言えば、購入時にも外貨MMFを自動的に売却して買付できる選択肢があれば、よりシームレスになります。そうなれば米国株式を購入するなら楽天証券という立ち位置も変わってくるかもしれません。

投資は継続するために自動化をできるだけした方が良いため、今回のサービス拡充は非常に嬉しい内容です。ただし、全世界投資という方法で日本で販売されている投資信託をメインに使う場合は、このサービスを使う場面はないでしょう。サテライト投資や特別なニーズによって使う場面があるかもしれませんが、メインになる方向性ではありません。

全世界投資では投資信託を使い、円建てで毎月一定金額を購入するドルコスト平均法を活用します。まとまった資金がなく、将来のために資産形成をしていきたい方にとっては、積立の方法で全世界に満遍なく投資することが、日本人にカスタマイズした方法論となります。

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