
MoneySense代表のシュウAs浅田修司です。
前回のニュースレターから1ヶ月以上空いてしまいました。ご無沙汰しております。
私のまわりはだいぶ寒くなって来ましたが、いかがお過ごしでしょうか?気温も下がり、インフルエンザなども増えてきそうですのでしっかり風邪などの対策をしていきたいところです。
最近の経済ニュースはギリシャ問題につづきオリンパスやTPPなど話題に事欠きませんね。これらについていろいろと考えるところはあるのですが、その話はまた別の機会に。
最近、こんな質問をいただきました。
投資は辛く苦しいというイメージがありますが、
楽しいものにするためにどうすればいいかに悩んでいます。
私自身、楽しくないと続けられないからです。
投資に対するイメージというのは人それぞれですよね。楽しいとお聞きすることもありますが、楽しくないとお聞きすることも少なくありません。ただ、楽しくないというご意見はいただいたことはありますが辛く苦しいとは聞いたことがなかったのでちょっと興味を持ちました。
個人的な感想を言えば、投資自体は楽しいものではないし、ワクワクするものでもありません。ただ同時に、辛いとも思いませんし、苦しいとも思いません。強いて言えば「生きるために必要なこと」として淡々と行う、でしょうか。
本来、投資はお金を得る手段として行いますよね。これは、仕事やビジネスも同じです。サラリーマンとして仕事をしている人でも楽しいと思っている人もいたり、辛いく苦しいものと思っている人がいるのも同じことのように感じます。私もサラリーマンの経験がありますが、いつも辛かったわけではありません。いつも楽しかったわけでもありません。
では、いつ辛いと感じ、いつ楽しいと感じたのでしょうか?これはその人それぞれによって異なるでしょうが、以下についてはほぼ同じなのではないかと思うのです。
まず、お金を得る手段として、もしくは、生計を守る手段としてのみしか仕事や投資をする意義を見いだせないとき、多くの方は辛く苦しいものと感じるのではないでしょうか?
お金を得ること自体が楽しい人は、そうそう多くありません。
またすこし話を進めて、お金を得る手段(仕事内容や投資そのもの)自体が楽しい人も少ないと感じています。仕事の内容自体が楽しい、天職だ!といえる人に「それは幸せなことだね」といったりもしますよね。投資自体が楽しい、天職だ!と言えれば幸せなのでしょうが残念ながら、私はそうは思えないですし、そう思える人は羨ましいとも思います。同じことのようです。
お金そのものを得ることやお金を得る手段そのものが楽しいと感じないのであれば何を持って楽しいと感じるのでしょうか。これは質問された方の疑問そのものなのかなと思います。
私は、サラリーマンのときも、独立起業したときも、投資家となったいまも、楽しいと感じるときの共通点があります。これらはお金を得る手段ですから本来楽しくないものですよね。でも楽しいと思うことがあります。
それは「自分が必要とされたとき」です。
正確に言えば、「自分が所属する集団の中で、自分の存在が認められたとき」です。
難しい言葉になってしまいますが、私は人の欲求の中で自己実現が一番強く根源的な欲求であると思っています。そして、自己実現の欲求が満たされたとき強く、大きく、深く、楽しさや喜びを感じます。
しかし、人間は自己実現が満たされる前に、満たされなければならない欲求があります。一つに集団欲、一つに承認欲です。この考え方は、マズローが提唱した欲求段階説です。人間のモチベーション理論の一つと言われています。このほかにもマクレガーのX理論Y理論や、ハーズバーグの二要因理論などがあります。どれも古典的でありますが普遍的ですのでわかりやすいかと思います。もし詳しくお知りになりたい方は、各所で取り上げられていますのでお調べいただければと思います。
さて、この自己実現の手前である、集団欲、承認欲には1つ大きな存在が必要です。
それは、「仲間」です。
集団に「所属」したり、「帰属」したりするには、まずその仲間となる集団が必要です。また、その集団の中で「承認」されるには自分以外の人、つまり仲間と呼べる人が必要です。学校や仕事、投資家でも、一人ぼっちでいるときは楽しくないものです。もっといえば辛く苦しいものです。たまには一人の時間は必要と思いますが、私のようにひきこもりがちで人との付き合いが苦手な人間でもまったくまわりに人がいないというのは耐え難いです。
私が医者で質問者に処方箋を書くなら「仲間を作りなさい」となるでしょうか。
参考になれば幸いです。
蛇足になるかもしれませんが、仲間を作るとき、仲間と共にあるときにひとつ注意しなければいけないことがあります。
それは、仲間は自分ではないということです。自分とは異質の人間である必要があります。同じ方向性を持つ人ではありますが、決して自分と同じであってはいけません。それぞれに自己実現の目的があり、それは自分とはまったく異質のものであるからです。
これらをうまくまとめてくれているものに漫画「ONE PIECE」があります。みなさんの中にもファンが多いのではないでしょうか。
「ひとつなぎの大秘宝(ワンピース)」を手に入れるという共通の大きな目的を麦わらの一味は持っています。主人公ルフィーには共通の目的を持った多くの仲間がいますがそれぞれの夢はまったく異なります。
- ルフィーは海賊王になること
- ゾロは世界一の剣豪になること
- ナミは世界地図を描き完成させること
- ウソップは父のような勇敢なる海の戦士になること
- サンジは伝説の海オールブルーを探すこと
- チョッパーはなんでも治せる医者になること
- ロビンは空白の百年の謎を解き明かすこと
書き切れないのでこのくらいにしておきます(笑)
作品中では、それぞれの夢のためにときには仲間を窮地に陥れることもあります。一見わがままのように見えますが、他の面々はたとえ窮地になるとしても仲間の夢は大前提として受け入れ、自分の役割を果たそうと戦います。ともに譲れない自己があってガチンコで言い争いや殴り合いもありますが、最後には仲間であることを再認識します。
これほど「仲間」について、わかりやすく大切なことを教えてくれる作品はないと思います。
絶大な人気があるのは、人の根源的な欲求の集団欲と承認欲、そして自己実現を満たし、満たされていく主人公たちを見て、そうありたい、または、勇気づけられると思う方が多いからかもしれませんね。
もし読んだことがない方は一読をお勧めします。漫画が苦手な方はアニメで。
最後は漫画の話になりましたが、ときには漫画も良いものです。幾許かの参考になれば幸いです。
本日も最後までお読みいただきありがとうございました。