すでに年金は10年前から年金は破綻していた?

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • LINEで送る

MoneySense代表のシュウAs浅田修司です。

さぁやってまいりました!「年金年間」パート2!

書き始めてみると、まぁなんと伝えたいことが多いことか!!!

「でもなんでまた年金なのよ。興味ないよ。」というあなた!

ほとんどの読者がサラリーマン(の家庭)だと思いますが、なけなしの給与から100%天引きされている一つが厚生年金保険料です。給与明細の倍額が否応なく国に収められています。

2014年7月15日に発表された「国民生活基礎調査」では2012年の平均所得は537.2万円、中央値は432万円でした。当時の厚生年金保険料率は16.766%でしたから、毎月、平均で約7.5万円、中央値約6万円を負担していることになります。

参考:「国民生活基礎調査」-厚生労働省
http://www.mhlw.go.jp/toukei/list/20-21kekka.html

この金額は、多くの方にとって毎月の貯蓄金額ひいては投資金額より多いはず。なのに全然知らないでは済まないと思うのは私だけでしょうか。

無理やり召し上げられているから関係ないのではなく、自分のお金をコントロールするようになるために、自分の人生をコントロールして、彩りある豊かな生活を送るためには必要な知識だと思いませんか?

少なくとも私はそう思います。

だから、あなたに「彩りある豊かな生活を送っていただきたい」ので否応なくお付き合いいただきます!(笑)

「厚生年金・国民年金の財政見通し」(以下、年金財政検証)が、2014年6月3日に発表がありました。前回予告していましたようにこちらをわかりやすく解説していきたいと思います。

また、そこから見える【政府の思惑】を読み解いていきながら、私たち個人投資家はどのような行動をしていったらよいのかについてまでお話していこうと思います。

ちなみに政府の発表がありました年金財政検証は以下のURLからダウンロードすることができます。

「将来の厚生年金・国民年金の財政見通し」-厚生労働省
http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/nenkin/nenkin/zaisei-kensyo/

  • 現況の概略 26ページ、
  • 詳細結果 121ページ、
  • オプション試算の概略 13ページ、
  • オプション試算 57ページ、
  • 関連資料 20ページ

と約200ページに渡るものになります。

なので、おそらく自分で見てみようと思う奇特な方は少ないと思いますが、一応ソースはココですよということで挙げておきます。

大きく4つに分けて話を進めていきます。

  1. 過去の年金財政のおさらい
  2. 将来の年金財政はどうなっていくのか
  3. 年金財政検証から見える政府の思惑
  4. 私たち個人投資家はどのような行動をしていったらよいのか

です。

今回は、1.過去の年金財政のおさらいについてお話していきます。

過去の年金財政のおさらいから始めるのは、コレを知らないと今回の年金財政検証の芯の部分が理解できないからです。書く方もたいがい面倒くさいのですが、仕方ありません。。。

だから、あなたも面倒くさいでしょうが、お付き合いください。

1.過去の年金財政のおさらい(1)

まず、現在の年金財政がいかに破綻に近づいているかは、年始からのニュースレターの動画で詳しくお話していますので、今回は割愛します。

過去の動画を見逃した方は以下からどうぞ。

働く者が搾取されるこの世の中

年金問題に対して我々ができること

さて、年金財政検証は2004年から行われていて今回で3回目となります。これまでに政府が年金財政についてどのような発表を行ってきたかおさらいをしていきます。

大きく4点あります。

  1. 積立方式から賦課方式への転換
  2. マクロ経済スライドの導入
  3. 年金保険料の見直し
  4. 国庫負担分の増額

上記の4つが2004年に始まった年金制度改革の大きな変更点となります。

簡単にいえば

  • 年金は守ろう!!・・・1
  • 支出を減らそう!・・・2
  • 収入を増やそう!・・・3~4

です。

ここで改めて知っておいて欲しいのは、これらは【すでに10年前に発表されているもの】だということです。

いかにあなたが年金について無知であったかを理解できると思います。そして、10年前から政府の思惑が見え隠れしていることに気づくでしょう。

1.積立方式から賦課方式への転換

2004年の財政検証では、それまでの制度では【年金財政が破綻してしまうことが確認】されました。

そうです、10年前にすでに破綻することがわかっていたんですね。今になって降って湧いたように問題になったわけではないのです。

そこで政府は、年金制度を開始当初の「積立方式」から、「賦課方式」に変更することにしました。

「積立方式」
現役のときに積み立てたお金を将来年金として受け取る方式。

「賦課方式」
現役世代の保険料で年金世代の年金給付をしていく方式。

つまり、現役のときに積み立てたお金を将来年金としてもらう方式から、現役世代の保険料で年金世代の年金給付をしていく方式に切り替えたのです。

おそらくあなたの感覚に近いのは「積立方式」だと思います。でも、それではつじつまが合わなくなったので「賦課方式」と言い換えたのです。

ここって暴動が起こるくらい怒るところだと思うんですよ。でも、日本国民は行儀よく、我慢強いので暴動も起こらず10年が経過しました。

さて、年金の「お金」を家計のように見ていくと、

【収入】「年金保険料」+「国庫負担分」+「積立金運用益」
【支出】「年金給付」
【貯蓄】「積立金」

があります。

つまり、

【収入】の「年金保険料」+「国庫負担分」+「積立金運用益」だけでは、
【支出】の「年金給付」には足りないので、
【貯蓄】の「積立金」を年々取り崩していくことになる

だから、この制度のまま続けていくと、
「将来、積立金が全部枯渇して、いつか年金給付が支払えないときがくる」

ということが確認されたということです。

これは困ったということで、2004年の年金財政検証では、【貯蓄】が完全枯渇するまでに、【収入】で【支出】をまかなえる賦課方式に完全に移行し、年金制度を維持しようとしたのです。

あ~、もともと最初から賦課方式だったというおバカさんがいらっしゃいますが、これはなんの根拠もない戯言です。

だって、最初から賦課方式なら【収入】=【支出】なはずなので、【貯蓄】「積立金」なんて必要ないし、存在しないはずなのです。巨額の「積立金」が存在することこそ「積立方式」だった証拠なんです。

さて、もともとは積立方式だったので、賦課方式に変更するにはいろいろと制度をいじくる必要があります。また時間もかかります。それが2~4の項目で挙げている内容です。

そこに行く前に、もう少し年金制度についてお話を進めていきます。

まずは年金を立て直すことを確認しました。でも、現状のままでは維持出来ないので賦課方式に変更しました。

つまり現状の
「【収入】<【支出】」を
「【収入】=【支出】」になるように
制度を見直していくことになります。

(なんか国の財政も年金の財政もこんなんばっかですね・・・)
(実はラットレースの家計も同じなんですよね・・・)

ですが、

なんでもかんでも【収入】(「保険料」)を増やして、
なんでもかんでも【支出」(「年金給付」)を減らして、

とやっていったら

「年金ではなくお小遣いになりました」

では生活できないし、年金を維持する意味が無いよね、ということで、年金と呼べるだけの指針といいますか目標を立てたわけです。

これだけは維持したい、守りたい、そうなじゃいと年金じゃないというのがすぐわかる目標を作りました。

それが「所得代替率」です。

政府は「所得代替率は半分を上回るものとする」と目標を決めました。細かい数字でいうと「所得代替率50.2%」を目標にすえたのです。
聞きなれない言葉「所得代替率」が出てきましたね。

「所得代替率」というのは、

「年金世代の年金給付」÷「現役世代の平均所得」×100

で計算できます。年金世代の年金額が、現役世代の所得に比べて何%か、という数字です。

この数字があまりに低いと、例えば現役世代の家庭にはエアコンが着けれるけれど、年金世代はお金がないので着けられない、といったように生活の質が変わってしまいます。

「将来もらえる年金が、老後の足しにもならない少額なら意味ないじゃん!」

と言われないように、現役世代の半分以上は将来も年金でもらえるので、生活していけますよ、十分足しになりますよ、と言えるようにしたのです。

長くなりましたので、今日はこのへんで。

次回は「所得代替率」の変遷から見える歪んだ実態のお話です。

質問や感想などありましたらお気軽にこのメールに返信してください。
ひとことでも頂ければ励みになります。

最後までお読みいただきありがとうございました。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • LINEで送る

無料講座:確定拠出年金のメリット・デメリット

確定拠出年金について

「どんな制度なの?」
「なにがいいの?」
「どうやって使えばいいの?」

と思っていませんか?

この無料講座では

  • やらないと絶対に損をする確定拠出年金のカラクリ
  • 確定拠出年金の3つの優遇制度
  • 金融機関とファンドの選び方

など、確定拠出年金の制度の仕組みとメリット・デメリット、そして活用方法まで全7回の動画で詳細に解説しています。


無料講座を受講する